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住まいの耐震対策

地震多発の今でも 屋根瓦は大丈夫?

 「地震によって家屋が倒壊するのは重い屋根のせい」といった安易な風評が聞かれます。あらためて瓦のよさを見直すうえでも、瓦の役割や歴史と耐震基準の観点から瓦屋根は実際どうなのかを瓦屋さんと構造設計士にうかがいました。

 
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小川さん
 【北・瓦・小川延男さん談】地震で倒壊した家はほとんどが古い家や地盤の悪いところに建っていた家でしょう。昔家を建てるときは地盤を見て建てたし地盤の弱いところには建てなかった。近年は土地がなくそうはいっていられなくなって無理して建てているから被害が大きくなるんですよ。倒壊の理由を瓦の重さのせいにする論調があるけれど、そもそも本来の日本家屋は、瓦の重さに耐えられるよう太い柱と梁を使い貫構法で建てられていたんです。
  しかし安く建てようとすると部材を細くするしかないため、構造上弱くなったにすぎないんじゃないでしょうか。瓦の重さを考慮した構造計算をすれば瓦屋根の耐震性に問題はないに違いありません。それに瓦がデザイン的に若者に好まれないかというとそうでもなく、日本型以外に外国の瓦の色合いや形などを取りいれたフレンチ、スパニッシュ、ドイツ型沖縄型、S型、平型などさまざま発売されていて、しっかりと瓦を葺いた屋根の景観は、さすがに高級感があり十分魅力的です。
 
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城の屋根瓦は土葺き(小川さん撮影)
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美しい屋根瓦を大事にしたい(小川さん撮影)
 
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天野さん
地震に瓦弱いは誤り
 構造と固定方法に問題
 【足立・設計・天野久志さん談】瓦屋根だから地震に弱いはあやまりで、大切なことは、(1)壁量、(2)屋根面と家の構造とがいかに一体化されているか、(3)屋根面にどのようにしっかり瓦(特に棟瓦)が固定されているです。
ガイドライン工法
  平成10年に改正された建築基準法に適応する災害に強い屋根工事基準をつくろうと、瓦業界は「ガイドライン」を作成しました。台風や強風時に飛ばない瓦屋根、阪神大震災クラスのゆれでも落ちない厳しい基準を設定したとされており、この工法で施工してあれば安心です。また対費用効果を考えれば水平構面の観点から屋根の勾配をおさえるとか重量の軽い瓦をえらぶことも効果があります。
 

日本に瓦はぴったりだ

瓦が普及した背景は、台風対策
日本は台風王国で、その強風に耐えられるよう瓦を重くしました。
防火・類焼対策
屋根が板葺きの時代に簡単に類焼した教訓をいかして、瓦をのせるようになったんです。「うだつが上がらない」のうだつは軒下の走り火を防ぐ壁のことで「うだつ」の上も瓦を用いていたくらいです。
地震対策
あわせて、地震大国でもある日本は、山門や僧門、五重塔など屋根をより重くすることで、地震の上下の揺れを抑えているといわれますが、近代建築の六本木ヒルズが屋上をわざと重くし、地震の揺れを相殺する制震構造を採用している点とにています。
高温多湿対策
また瓦には日本の気候風土に適応している点があげられます。高温多湿の気候にあって、屋根にほどよい通気性が確保され、かつ断熱性がいいんです。
耐久性でも瓦
工事費は、瓦が坪25000円前後でカラーベストの倍しますがカラーベストなどは、手入れをしないと10年ともちません。色もあせるし継ぎ目のさびやカビの発生はなかなか防げません。
その点でも瓦の材質は、色も落ちず、防水も切れない、半永久的といってもよいくらいです。今だからこそおすすめしたい屋根材です。

 

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