千葉県野田市での公契約条例の可決成立に当たって
「公契約条例」実現の好機に
全都で公契約運動の取り組み強化を
東京土建一般労働組合賃金対策部
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| 野田市で公契約条例の可決を伝えるNHKニュース |
9月29日、千葉県野田市議会で「公契約条例」が制定され、2010年度から施行されます。私たち建設労働者が2001年から本格的なたたかいを進めてきた、公契約法・条例の制定運動が全国で初めて実現したものです。
全国の仲間とともに、私たちは、公契約法・条例の必要性を認めた意見書等の決議を全国では40都道府県の771自治体(08年9月末現在)において、東京では、都議会と30自治体で採択させています。全国の自治体の過半数に迫るたたかいをつくり、公共工事のダンピング発注のもとで賃金・単価の切り下げ、建設労働者の生活破壊が作り出されていることを世論に訴え、劣悪・不平等な働き方を是正すべき公共がむしろこれを押し進めている方向を転換させ、公共できちっと「働くルールが守られるシステム」を確立させ、民間に波及させることを求めてきました。このたたかいが、はじめ「野田の地」で花ひらかせました。今回の条例制定の経緯を見ると、大木と育てた枝の隅々につぼみが育ち、次々と花を咲かせる姿こそ、必然的な流れであることが確認できます。
根本野田市長は、「公契約業務に従事する労働者の賃金水準を確保するために公契約法が必要であると考え、2005年に全国市長会を通じて法制度を国に要望してきました。しかし、国からはその動きがないため、(今回、制定した公契約条例は、)国に働きかけるための先駆的、実験的な条例と考えています」と断言しています。
野田市議会では2005年3月に国に公契約法を求める意見書が採択され、それより5年間かけて今回、全会派一致で条例を採択させ、市長は「国と一戦交える覚悟で、この条例を制定した」と述べています。この自信を裏付ける条例の内容は、全建総連の公契約法要綱試案を下敷きにし、全国から関心が集まった日野市の政策入札方式や国分寺市の検討内容に学び、法務上のクレームに耐えられ、全会派が賛同できるものとして準備されました。条例の前文に「公共事業の低入札により、従事する労働者に賃金低下を招く状況になっている」ことを明確にし、市が発注する公共工事や委託業務に従事する労働者の賃金水準を守るため、最低賃金法の縛りにこだわらず、設計労務単価の8割を最低賃金の目安とするなど最低賃金を市が独自に設定するとしたうえで、8条の連帯責任、13条の損害賠償の罰則規定により、受注者に条例の履行を担保しています。
今回の条例可決は、尼崎市の議会論議、国会(文書質問)等で勝ち取ってきた公契約法・条例の理論的な正当性に論拠を持ち、全国に広がった意見書採択、特に東京で大きく運動発展している各団体・階層、建設業界と建設労働組合との共同の条例制定運動、官製ワーキングプアーを無くせの世論の後押しにも支えられた制定と言えます。また私たちの運動で、会派を超えて国会議員の賛同が広がり、全建総連の公契約法要綱試案を反映した「公共工事作業者の適正な報酬確保にかんする法案」の提出を準備している民主党政権の誕生、好機到来の野田市の制定となりました。
公契約条例は、夢物語でなく、現実のものとなりました。東京土建は20年前の賃金に逆戻りし、当面の生活もなりたたない仲間の窮状、若年技能者が半減し未来のない産業、この事態を緊急に打開するために自治体・地域建設業界との共同を組織して公契約制定運動を展開、さらに強化し、全国各地での条例制定、国による公契約法の制定という大輪の花を咲かせるために努力してまいります。
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| NHKニュースより転載 インタビューに応じる根本市長 |
◎公契約条例可決に際しての根本崇市長のコメント
おかげさまで日本初の公契約条例を全会一致で可決いただきました。
現場で働く労働者の皆様の声を聞き、その必要性を感じたことから野田市提案で平成17年に全国市長会を通じて国に法制定を要望しましたが、残念ながら何の対応もなされていないばかりか、要望をした私どもにその後の経過報告もなされることがありません。さらに、国会においても小規模建設業者に係る法的措置を推進することを目的とする超党派の参議院議員連盟が結成されていると聞いておりますが、公契約法案など具体的な法案検討までは至っておりません。
このまま放置していたならば、事態は何ら改善されないと考え、野田市が先鞭をつける意味で条例を制定することとしました。
もちろん、この問題は一市が条例を定めても解決できるものではなく、本来、公共工事の品質の確保に関する法律と同様に国が法律により規定すべきものと考えております。したがって、大変借越ではありますが、条例の前文に国に対して法の制定を要望する旨を記述させていただいております。今後、早期に、国の組当部署に成立した条例を持参して早期法制定を要望してまいりたいと思います。しかしながら、これまでの政府の対応、また、新政権のマニフェストを見ても社民党のマニフェスト以外には公契約法について記述されていないことからして、直ちに国を動かすことは難しいと思われます。
そこで、全国の市に成立した条例をお配りして同様の取組をお願いしようと考えております。地方が動き、国を動かすという地方分権のスタイルを作ってみようと思っております。
野田市長 榎 本 崇
<資料>
野田市 公契約条例 PDF版