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○  世田谷で公契約条例施行

15年の運動が実結ぶ
適用工事現場は100以上

 【世田谷・書記・田村彰宏記】世田谷区公契約条例が4月から施行されています。世田谷区の公契約条例運動は2000年にスタート、2007年からは建設業だけでなく区の非正規職員や介護・福祉など幅広い分野の団体、個人が結集して公契約推進世田谷懇談会を発足し、取り組みを展開してきました。これまで公共工事の賃金実態調査、7回のシンポジウム、行政・会派・業界をまじえた2者懇や3者懇、検討委員会設置を求める請願署名などの取り組みがついに実を結びました。
 条例制定にあたり、世田谷区では検討委員会を設置、さまざまな方面の意見を取り入れて、行政・労働者・事業者がお互いの立場を尊重しながら作りあげた条例です。
 公契約条例では労働報酬専門部会を設置し、労働報酬下限額を定めて適正賃金が支払われるようにすることが明文化されました。適用範囲を他自治体と比較しても広範囲にわたる工事契約3000万円以上、委託契約2000万円以上を対象としており、工事だけでも年間100件以上が適用現場となります。一方で、条例違反に対する罰則規定を設けられていないなど、実効性を担保していくためには課題が残り、運用を施行規則・要綱等で明確にしていく取り組みを進めていきます。
 今年の2月5日には公契約条例のスタートにむけて第7回世田谷区公契約シンポジウムを163人の参加で開催。条例制定後初となる公にむけた取り組みとなることから、労働団体だけでなく地元の業界団体や入札参加業者など幅広い参加があり、事業者から五十嵐世田谷建設協会会長より、賃金引き上げの期待と入札制度の改革に対する要望。労働者代表からは世田谷支部の児玉書記が、条例で労働条件を改善することで若い方が建設業に入職し、公共サービス全体の質が上がることへの期待、行政からは保坂区長より、適正な工事単価、委託の単価が保証されれば、社会的作用として若手が入ってこない産業の現状を変えていけるのではないかと考えていると発言。区議会主要会派からも条例に対する前向きなコメントをいただきました。
 人口88万人の世田谷区は公共工事の発注も23区最大規模です。世田谷区での条例制定は、区内の建設産業および委託業務にとどまらず、全国的に大きな影響を与えます。世田谷支部は公契約条例を一つの礎に、建設産業全体に波及効果をもたらすべく新たな使命感を持ちがんばります。


条例の実効性高めます
世田谷区長 保坂展人

 桜の季節がやってきました。この4月には世田谷区公契約条例が施行されました。皆さんの粘り強い運動の成果です。今後、公契約適正化委員会を開催し、区独自の労働報酬下限額を決定します。事業者に条例遵守を強くはたらきかけ、条例の実効性を高めていきます。
 世田谷区は、入札制度改革の推進と公契約条例との両輪で、事業者の経営環境、労働者の労働環境の改善だけでなく、公共事業の品質確保を通じて区民福祉の向上・増進を図りながら、地域経済を活性化させてまいります。

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