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○ 労働協約 どう接近するか

技能評価を先行する
産対委員会でシンポジウム

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55人が参加し議論を深めた

 8月20日、けんせつプラザ東京で東京土建産業対策委員会主催の「建設産業に労働協約を実現する方向とは」講演・シンポジウムを行ない、55人(東京土建22支部、その他千葉土建、全建総連東京都連)が参加しました。
 前半、浅見和彦専修大学教授が「建設産業における労働協約運動の方向」と題して講演しました。浅見教授はまず首都圏の建設組合では働き先の丁場別構成が野丁場、新丁場の占める割合が大きくなっていることを指摘した上で、段階的にすすめる4つの種類の労働協約を説明しました。
 第1は、技能労働者の定義、技能評価を行ない、専門工事業団体と労働協約を結ぶこと。これを「技能評価協約」と呼ぶ。第2は技能評価協約を尊重、遵守しながら元請企業・団体と結ぶパートナーシップ協約。第3は直接雇用されている個別企業との労働協約。パートナーシップ協約は賃金の最低基準を示したものなので、この協約が個別労働者が実際に受け取る賃金を定めるものとなる。そして第4が現場での労使協議と労働協約。ヨーロッパなどでは工期短縮を遂行し生産性を上げた場合、ボーナス給の交渉がある実例を説明しました。
 浅見教授は、(1)大手企業交渉の前進(労働安全などでの確認書、おぼえ書を獲得)、(2)すでに一部で実現している個別企業との賃金条項を含む労働協約、(3)労働者供給事業の開始、(4)公契約条例制定の広がり、(5)全国から地域まで各段階で業界団体との懇談、企業・現場訪問が行なわれているという5つの到達を指摘し、運動の足ががりと方法を示しました。
 最後に、浅見教授は運動推進のための従来の居住地中心の組織形態と運営に加えて、丁場別、職種別の組織や現場委員会の設置などを示唆しました。

地域を絞りこみ同種の労働者の7割超で

 後半は、古川景一弁護士、山本繁樹事業所対策担当、木村潮人賃金対策担当のシンポジストが発言。古川弁護士は労働協約の地域的拡張適用について奈良県の「吉野連合労組事件」などの判例を示した上で、「たとえば京王線沿線の左官屋というレベルで(労働協約は)構想していけるのではないか。何千人にも適用するなどと考える必要はなく、その地域の約束ごととし土曜休日にする場合、賃金が減らずに日給を補てんするというような労働協約。これをやることで賃金問題にも発展できる。法律の定めでは、一つの地域で従事する同種の労働者の73%ぐらいが適用になった時は地域的拡張適用になる」と報告しました。
 千葉土建から供給事業、渋谷支部からは区内事業所訪問やディーセントワークカフェの取り組みなども報告があり、参加者からのフロア発言なども受け、労働協約の実現に向けての議論を深めました。

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