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○ 建設アスベト訴訟首都圏闘争に必ず勝利を

関西での歴史的判決を武器に

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原告を先頭に交渉に応じないニチアス本社前でシュプレヒコール

 【首都圏建設アスベスト訴訟本部事務局長・井澤智記】建設アスベスト訴訟は関西で連弾判決が出され、東京、福岡につづき、大阪、京都の判決で国に対して4連勝となり、司法判断を確定的にしました。さらに京都判決では、建材企業9社の責任を認める画期的な勝利判決となりました。この連弾判決の歴史的成果をたたかいの局面を打開する武器とし、世論と政治、全国の訴訟に活かし、とりわけ首都圏では原告の被害に向きあわない東京高裁の訴訟指揮に変化を生み出させていきます。
 関西判決の意義は、(1)国の責任を確定させ、違法期間・違法事由ともに拡大した、(2)シェア10%以上の建材企業9社の共同不法行為責任をはじめて認めたことです。
 首都圏の訴訟組合は関西統一本部と共闘し、2週間にわたるかつてない連続判決行動に取り組みました。その成果は、(1)判決が世論に強く支持されていることの表れとして、大手新聞が社説で「支援団体は、政府と建材メーカーによる補償基金の創設を求めている。政府は、こうした提案も参考に救済策を検討すべきだ。(読売)」等との論説を発表した。(2)ニチアス本社前での大規模抗議行動を成功させ、建材企業の態度にも本社での交渉拒否企業が応じるなど変化が表れた。(3)政治局面も連日の国会議員要請行動で、全建総連請願署名1・27院内集会の成功、野党連合による厚労、国交の委員会での集中審議を検討課題に押しあげるなど国会内世論を高めた。
 短期間でかちとった判決行動の到達をふまえて、2月下旬から4月までの運動を再強化し、東京高裁第10民事部の3・14期日での結審を阻止し、全建総連の請願署名を4月中に集めて国会決議をかちとり、建材企業への要請行動も継続して取り組みます。
 歴史的な関西連弾判決は、関西の勝利にとどまらず、先陣を切ってたたかってきた首都圏の勝利であり、すべての仲間の確信としていきます。


被告企業へ要請行動
関西判決で対応に変化も

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交渉拒否するニチアスに1000人で抗議

 【本部・高見京子記】2月2日、建設アスベスト訴訟大阪、京都地裁の判決を受けて被告企業要請行動を行ないました。正午から八丁堀にあるニチアスを1000人規模で包囲し、大宣伝行動を実行。ニチアスは、アスベスト建材で多くの被害者を生み出し、京都地裁判決では敗訴したにもかかわらず交渉要請に対して完全拒否を続けています。首都圏の建設組合をはじめ、関西建設アスベスト原告団・弁護団・京建労、九州建設アスベスト弁護団や公害患者と被害者の会などの支援を受け怒りの抗議を続けました。
 午後1時からは、ニチアスに半数を残し、東京に本社のある被告企業9社に要請を行ないました。屋内での交渉に応じた企業は、日本バルカー工業・日東紡績・東レACE・エム・エム・ケイの4社で、人数制限を解除するなど前進が見られました。


27万筆の署名渡す
総連で紹介議員獲得行動

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小川敏夫参議院議員(右)に署名簿を手渡す三浦一男全建総連委員長(中)、人見大東京土建委員長

 【全建総連労対部発】全建総連は1月27日、衆院第一議員会館で「建設アスベスト問題の早期解決と救済、被害者救済のための補償基金創設への国会請願署名提出院内集会」を開催しました。全国で進めている国会請願署名(当日の時点で27万2541筆)を提出し、紹介議員をふやすためのもので、全建総連では初の取り組みとなり全体で280人が参加しました。
 来場した国会議員(衆院26人、参院8人)一人ひとりへ、三浦委員長と地元組合代表者から署名簿を手渡しました。
 全議員から、大阪判決の意義、一人親方の救済、そして全面解決に向け政治が果たすべき役割について、あいさつを受けました。


原告は法廷で実態を証言

 2月5日、首都圏建設アスベスト第2次訴訟団は東京地裁で第9回期日を迎えました。この日の法廷では舘野哲夫さん(重量とび・品川)、田中更さん(吹付工・府中国立)らが作業内容や粉じん曝露の実態を証言しました。
 開廷にあわせて、東京地裁前で宣伝行動、集会を行なった後、行動参加者は参議院議員会館に移動、報告集会を開催。関西判決の意義を村松昭夫弁護士が解説。井澤事務局長の行動提起を参加者全員で確認しました。


原告の声
一日も早い解決を望む

 【首都圏訴訟団・東京土建・田村博さん談】同じ江東支部で私の労災認定でもアドバイスしてくれた井上村夫さん(故人)から形見にもらった帽子をかぶってきました。第1陣原告ですので、8年近くたたかっています。最近は一人で外を歩くことが減り、階段の昇り降りもつらいです。全国でたたかっている仲間と力を合わせて一日も早い解決に向けてがんばりたいです。

一人親方でも補償の対象に
 
【関西訴訟団・京都建労・長野好孝さん談】京都の田舎で40年間大工をやっていました。親兄弟にはガンになった者は一人もいないのに、私は肺がんになってしまいました。一人親方ですが、京都の判決ではメーカー責任が認められ、私にも補償があるという裁判官の話をきくことができ、何ともいえないうれしさを感じました。京都の勝利が今後の全国のたたかいにつながればいいと思います。

企業は原告の話をきいて

 【関西訴訟団・大阪・赤木詩子さん談】室内装飾業だった父を6年前にアスベストによる肺がんで亡くしました、62歳でした。
 父は介護する私に「詩子100歳まで生きてな、お父ちゃん120歳まで生きるから」。けれど、どんどんやせ細る父の身体をふき、おむつをかえるのはつらかったです。
 アスベスト製造企業には責任があります。私たち原告の話をきくべきです。


労災認定されました
西多摩の故木暮龍彦さん

 【木暮節子さん記】大切な主人が、肺がんで事故にあったように、天国へ行ってしまいました。2014年7月上旬ころからセキが激しくなり、受診すると肺炎でした。富士山の頂上にいる位の酸素しか取りこめず即入院となり、胸水がたまりました。アスベストが原因ではと、西多摩支部からしばぞの診療所の受診をすすめられましたが、都内へは移動できない程、病状はよくありませんでした。
 声も出なくなり、その中で詠んだ歌です。「心電図・酸素ボンベに点滴を満艦飾ネと妻笑う」「猛暑日も大災害もしらぬ病院(ココ)、急車と夏行けり」。この後何日もせずに転移、痛い痛いと、そんな時に主治医に自分が旅だったら検体して仲間の救済に役立ててほしいとサラリと告げて、入院60日で逝ってしましました
 落ち着いてから、労災申請の準備が始まりました。過去の作業現場の内容、20年以上前の仕事仲間さがし、書記局OBの方まで、大変なご苦労をおかけしました。途中であきらめそうな時に、仲間の皆さんに励まされ、組合の力が発揮され、ついに認定をかちとることができました。
 天国で土建人間の主人もニッコリしていると信じています。

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