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○  もっと強くもっと大きく賃金・単価の引き上げを 全建総連東京都連賃金調査結果

求められる実質的賃上げ
決め手は標準見積書 施主、上位業者に要求しよう

 2015年5月に2万961人が協力した全建総連東京都連合会の2015賃金調査の結果が出ました。15年の日額賃金は常用1万6044円(160円増)、手間請1万7742円(78円増)、一人親方1万9288円(248円増)と2年連続前年より上昇(図1)。直近10年でもっとも高かった07年の水準に近づくも、最高時とは約6000円低く、消費税率の引き上げもあり、実質賃金はほとんど変化ない状況です。また、国が通達で「上昇分が確実に技能労働者の賃上げにつながるよう適切に対応を」と求めている設計労務単価との差も広がっています(図6)。
 平均年収は約425万円となり(図7)、東京の男子労働者年収678万にくらべると253万もの差がひらいています。このため組合は年収600万円、日額2万6000円の実現をめざし、年単位の引き上げ目標をさだめ、この1年で日額4000円の引き上げを求めていきます。
 社会保険(厚生年金)の加入状況(図9)は、職人・一人親方52.6%、事業主88.3%で昨年比それぞれ3.9%と3.3%増加、標準見積書の使用状況(図10)も13.2%で昨年比0.6%増にとどまるも、標準見積書使用の事業所の支払賃金は常用、手間請とも未使用より上回っています(図11)。また施主や上位業者への賃上げ要求は19.7%と昨年より2.1%減少しました(図12)。

正念場の法定福利費確保

 国土交通省は来年の4月には、社会保険未加入企業・労働者の現場からの排除の方針を打ち出しています。社会保険に加入し継続していくためには、標準見積書を利用した法定福利費確保へ今が正念場です。東京土建は学習会などで請求運動を広げ、元請や一事業者への要請を強めます。

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発注現場を賃金調査/杉並区
引き上げ分労働者に届かず

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 【杉並・書記・熊切健二記】杉並区は「賃金実態に関するアンケート」を昨年に続き2015年も実施。内容は公共工事設計労務単価の賃金上昇が建設業者の賃金にどういう効果があったのかを調べるもので、調査対象は請負金額3千万円以上で施工体制台帳の提出がある工事33件、有効回答111件(社)です。
 調査すべきは上昇した設計労務単価引き上げが現場で汗して働く労働者の賃上げになっているかどうかですが、今回も元請・1次下請業者の回答件数は89社81%、2次下請以降は22社19%です。(図A)前回も2次下請以降の回答が19社21%でした。
 回答の中で賃金の平均額が基準額(設計労務単価8割)を上回るのは90社81%、基準額未満は21社19%で、2次下請以降の回答数とほぼ同じです。また、2次下請以降18社・21%が基準額に届いていない(図B)と回答をしていることから、上昇した設計労務単価は現場労働者には届いていないことがわかります。

公契約制定へ運動すすめる

 昨年の私たちの杉並区発注工事現場調査でも、現場労働者からは日給8千円や1万3000円という回答もありました。区は依然として公契約条例の検討には至っていませんが、3月は区長懇談があります。今後も公契約条例制定に向けて運動をすすめていきます。


アンケートに寄せられた声
現場引き上げるぐらいの勇気を

事業主
◇賃金をあげようと思ったら要求しなくてはダメです。
◆法定福利費等の上位業者への請求する権利の確立、ふつうに社会保険等に加入できる単価での仕事。
◇平均的に仕事がないのが大変、材料や税金の支払う日が苦しい。よくやってくれている従業員のゆとりや楽しみをふやしてあげたい。
◆長年のつきあいで見積段階でOKをだし作業しても、終了後値引きをしてくるところが最近多い。
◇大手だけでなく下まで賃金があがるようにしてほしい。
◆見積書作成の際、法定福利費を明示したが、却下され値引きされた。そのくせ社会保険加入証明番号を要求され、保険料だけでもつぶれそう。
◇増税後の負担が重い。消費税増税反対。
◆がんばったなりの金額がほしい。
◇法定福利費のことをくわしくしりたい。
◆職人の賃金より低く、休みもない。家に帰ると11時をすぎ、後継者もいない。

労働者・一人親方
◇賃金が安くても文句をいえない。
◆手間があがらず困る。2万3000円から2万5000円くらいほしい。5人家族で生活していくにはギリギリ。
◇家族との時間のため、完全週休2日制にしてほしい。
◆交通費込みで、実際の賃金はもっと少ない。
◇建退共は会社で強制的にやらせないと無理。
◆安定した仕事がほしい。
◇残業代がもらえない。
◆年年収入が減っているが、逆に税金だけふえる。
◇年年暑くなってきて、熱中症が心配。
◆小さな現場でもトイレがほしい。
◇有給休暇がほしい。年7日くらい。
◆次の現場が早くきまってくれるとよい。
◇1万9000円の手間が1万7000円に下がったまま戻らない。
◆年収600万ほしい。
◇労働時間が長すぎる。
◆大企業ばかり優遇され、われわれには一向に恩恵がなく、格差がますます広がる。若い人たちが建設業に入ってこないのも当たり前。
◇保障がなく老後が不安。
◆工程がきびしすぎる。大雨でも休みがない。
◇安全面にはうるさいが、すべて自己負担である。
◆土曜日は現場を休みに。
◇雇用契約を作成してくれない。その都度内容が変わったりと困る。
◆賃金・単価があがっていくことを切に願う。
◇働きたいのに仕事がなく食べ物も買えないことも多い。
◆先がみえず、息子は大工をやりたいみたいだが、ほかの仕事につく方がいいといっている。職人がもっと魅力ある仕事になればいい。
◇今こそ完全な売り手市場なんだから、建設職人は団結して賃上げ要求を全員でいうべきだ。「こんな値段じゃやれねぇよ」って、現場を引き上げちゃうぐらいの勇気を持とう。今なら大丈夫だから。

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