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○ 賃金単価引上げで飛躍を

常任中央執行委員 木村潮人

政策的引上げの効果は
大手資本は「バブル超え」活況

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調布市の「武蔵野の森総合スポーツ施設」現場で行なった宣伝対話行動

 公共工事設計労務単価が4年連続の引上げとなっています。これは前年度秋に行なわれる「公共工事労務費調査」の結果に基づいて決定され、いわば「世間相場の集大成」です。これが2013年から、「(本人負担分の)法定福利費相当額」を入札不調も加味して政策的な引き上げが行なわれています。他にも、後継者を育てられる適正な利潤確保をうたった担い手三法一体改正、20代で450万円、40代で600万円にとする「日建連提言」など労働者の処遇改善策が次つぎと打ち出されていますが、私たちの賃金は数年来ほぼ横ばいです。
 大手企業交渉では、ゼネコンは前記施策を共有するとしながら、現場労働者の賃金は「雇用主と労働者の問題」「1次業者には適正な単価で支払っているのだが」などの対応を続けています。他方で昨年度は大手・準大手ゼネコンが売上高、利益ともに最高となり、資本上層では「バブル超え」とも言われるほどの活況を呈しています。

鉄筋・型枠は5~10%下落

 設計労務単価の引上げは私たちの要求に合致するものですが、ゼネコン各社の実行予算は相場賃金をもとに組まれており、最終的な労働者への支払いにおいては同単価とのかいりが生じています。
 国土交通省は、設計労務単価を「建設労働者等の賃金相当額であって、労働者の雇用に伴う賃金以外の必要経費分は含まれていない(必要経費分は、別途、共通仮設費、現場管理費の項目で積算される)」としながらも、「積算に用いるためのもので、下請契約等における労務単価や雇用契約における労働者への支払い賃金を拘束するものではない」とし、設計労務単価水準の支払いを義務付けてはいません。引上げられたものがどこに消えたのかは一目瞭然であるといわざるを得ません。
 現在、建設労働者の需給状況は一服しているとされています。特に躯体3職種のうち鉄筋、型枠は仕事量が減少し、単価が一年前から5~10%程度下落しているという報告もあり、私たちの賃金単価の先行きは不透明です。

要求・請求がカギ
資本従事者の組織強める

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団結を固めていざ大手企業の交渉へ

 公契約条例が都内6自治体で施行され、さらなる広がりを見せつつあります。私たち自身の手で賃金「規整」のルールを作り出していくことが今までにも増して求められています。現場行動と業界・自治体交渉を強化し、公契約法・条例の制定を広げていく取り組みを広げ、また、これを底支えとした「労働協約」締結運動に発展させていきます。
 労働者が賃上げへの大きな声をあげ、事業主に要求し、さらに事業主が上位企業に十分に賃金支払いをできる単価を要求していく、これを背景に従事者の仲間が大手企業交渉で現場からの声をぶつけるという大きな流れを作り出さない限り、大手企業の姿勢を崩すことはできません。また、社会保険未加入問題は今年3月の期限を控えています。建設労働者の年金権の確立のためにも中小・零細事業主が加入の原資である法定福利費を確保できるよう、学習・相談と請求・要求の取り組みを広げていきます。
 こうした運動の主体として、資本従事者組織のPALの仲間を増やし、学習活動を強化します。特に今年度は職種別組織の立ち上げを行ない、また、オリパラ現場を筆頭とする現場での行動・組織化を進め、仲間の声を要求化する取り組みを強めます。

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