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○ 豊洲移転は必要ない

物流効率性に優れた築地

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昭和モダンの築地市場

 【本部・新谷有加記】6月14日、新建築家技術者集団主催の、築地市場施設の視察・勉強会が開催されました。講師は中澤誠さん(東京中央市場労働組合執行委員長)。「3年前までは1人でしんどかった」豊洲移転に反対する活動も、現在では多くの仲間と共にされています。
 中澤さんによると、これまでの再整備案は、築地市場は古くてダメだとの認識から始まっています。しかし、それは大きな間違いで、築地市場は昭和モダンを代表する立派な建築であり、よく考えられた施設の配置は圧倒的な物流効率性を実現しています。これを再評価することから始めれば、築地市場の再整備に関係者は一致団結するでしょう。
 また、築地ブランドは名前だけではなく、実態があります。築地には全国から食品が集まってきます。マグロというと、「青森県大間」が最高と言われていますが、沖縄のマグロに1番の値がつけられたこともあり、ブランド力のない生産者のやる気につながります。これは、国民に開かれている築地市場の大事な役割です。これらのことからも、中澤さんは豊洲への移転には反対しており、築地市場存続を支持しています。

不便なアクセス
看板おろした店舗も

 視察の際、3・11の市場の様子もお話しいただきました。驚くことに、市場では箱ひとつ落ちなかったとのことで、地盤がしっかりしていることが分かります。他の移転候補地はなかったのかという質問に対しては、「豊洲がギリギリ」とのこと。現在の築地周辺の飲食店は、築地ありきで仕入れの時間などを計算し、店舗を設立し営業しています。こうして豊洲は、築地と店舗間の距離に比較的近いため「ギリギリ」の候補地になりました。とはいえ、豊洲には最寄りのJR駅がない、鉄道はゆりかもめ1本、徒歩・自転車は想定されていません。交通の便があまりに悪く、新宿や池袋への午前中の配送は不可能と想定されています。「築地がなくなるなら、うちは店を閉めます」と言って看板を下ろした店舗も少なくないとのことでした。
 「築地市場再整備は私たちのためのものではない。私たちは築地市場という偉大な卸売市場を先人から譲り受けました。後の世代に何を残すのか。それが問われています」。そう言って中澤さんは勉強会を締めくくりました。

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