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[連載] 主張と見解


第2208号 2017年5月1日付

介護改悪認められない

 4月18日、衆院本会議で、「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部改正案」が自民、公明、維新の各党の賛成多数で可決されました。
 「改正案」の柱は(1)要介護状態の改善などに応じた保険者への財政的な支援、(2)介護療養病床などに代わる介護医療院の創設、(3)障害福祉サービスを一体的に行なう共生型サービスの創設、(4)2018年8月から現役並み所得のある利用者の3割負担導入、(5)40〜64歳の保険料計算に総報酬割を段階的に導入の5本です。
 3月28日、審議入りに際して、塩崎厚労大臣は「介護保険制度の持続可能性を高めるとともに保険者である市町村の取り組みを推進することなどを通じて地域包括ケアの強化を図る」と趣旨説明で述べました。
 しかし、自立支援や重度化防止の名目で保険者である自治体にインセンティブ(財政優遇)を与えることで、介護度軽減や給付費低減を自治体に競わせようとしており、これでは介護保険の「卒業」強要や介護認定厳格化などへの圧力となりかねません。また「共生サービス」の創設は「障害福祉制度」から「介護保険制度」への切り替えで、サービス低下や負担増を招いている「介護保険優先原則」を温存していくものです。
 介護保険は一昨年8月に一部の所得や預貯金のある人の利用料を2割負担にし、施設入所時の食費や居住費補助を打ち切りました。政府はその結果をみても介護保険利用者は減っていないとして今回の法案提出に臨んでいますが、生活を切りつめてもサービスを受けざるを得ない人たちの実態を無視したものと言わざるを得ません。介護保険利用者に新たな負担増と給付削減をもたらす「改正案」は認められません。

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