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[連載] 主張と見解


第2211号 2017年6月1日付

改憲反対の運動大きく

 憲法記念日に安倍首相は改憲派の会合にメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言、自衛隊の存在を9条に書き込むことも表明しました。
 自衛隊の存在を9条に書き込めば、「戦争放棄」の1項や「戦力不保持」の2項と矛盾し、すでに解釈改憲で立法化された安保関連法を明文で合憲とし、集団的自衛権を行使して、海外での武力行使へ突き進むことになります。
 これまで改憲実施時期や具体的な内容については、国民の批判の高まりを恐れて、首相自身が進んで明らかにすることは避けてきました。そもそも首相は憲法99条の憲法尊重擁護の義務を負う最高責任者であり、行政府の長が立法府を越えて改憲項目とスケジュールを表明すること自体が憲法違反に当たります。
 自民党内では、首相が党憲法改正推進本部に対し、自らが提案した憲法9条改正と2020年の新憲法施行を目指して、国会の憲法審査会に提案する党の改憲原案を年内にまとめるように指示しました。党執行部は憲法改正推進本部を軸に挙党態勢で議論を加速させる態勢作りを急ぐことになります。
 しかし与党内にも、首相の発言はあまりにも唐突であり、緊急事態条項創設など「お試し改憲」の手順を飛び越したもので、岸外相、石破前創生相など有力者からも戸惑いや混迷、批判する声が上がっています。
 安倍発言の同日に開催された東京・有明の「5・3憲法集会」には昨年を上回る5万5000人が参加し、憲法が輝く新しい政治をめざすことを誓い合いました。国民世論は9条改憲を望んでいません。さらに改憲反対の国民世論と運動を大きく広げることが急務です。

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