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男はつらいよ／山田洋次監督

　山田洋次監督の『家族はつらいよ』が公開されています。国民的な人気を博した『男はつらいよ』シリーズ全４８作が終了してから既に２０年以上。このシリーズのファンなら、劇場やＤＶＤなどで「全作品見たよ」という人も結構いるのではないでしょうか。
　テキヤ稼業の寅さんが「労働の尊さ」を痛感して豆腐屋に住み込みで働く第５作。「寅さんの憧れの人」ファン投票第１位の吉永小百合がマドンナ役の第９作、第１３作。若き日の思い出を語り合う宇野重吉と岡田嘉子の対話のシーンが味わい深い第１７作。動物園の飼育係の青年（沢田研二）に恋愛指南をする第３０作。ファンの方にはお気に入りの一作があるかと思います。おススメは第１５作、『寅次郎相合い傘』です。
　寅は、会社に行く途中で突然「蒸発」願望に襲われた中年サラリーマン、兵頭（船越英二）をともなって旅をしています。函館の屋台のラーメン屋で一杯やっていると、偶然かつて「とらや」に来たこともあるドサ回りの歌手リリー（浅丘ルリ子）と偶然再会します。３人は時に路上商売で稼ぎながらきままに北の大地の旅を続けます。兵頭は学生時代に思いを寄せていた女性の営む喫茶店を訪ねますが、ろくに会話もせず立ち去ってしまいます。その態度をめぐって、寅とリリーは大ゲンカ。リリーは船に乗って去ってしまいます。
　柴又のとらやに戻った寅は旅先でのケンカを後悔し、もんもんとしている所にリリーが現れると、あっという間に仲直り、夫婦のように振る舞う二人。妹のさくらたちの「寅のお嫁さんに」との頼みを受け入れるリリーですが…。