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セルフレス／ターセム・シン監督

　夏になり、Ｇ1の季節がやってきました。Ｇ1と言っても、馬ではなく新日本プロレスのＧ1クライマックスの話で、1991年に始まり今年でもう27回目となるプロレス・真夏の祭典。ファンならば出場選手の星取表を予想して楽しむのはもちろんだが、できるものなら強靭なレスラーの体を借りて好きな選手と一戦交えてみたい、との願望を抱くこともあるのではなかろうか。例えば、ケニー・オメガとなって飯伏幸太と激闘を繰り広げる…といった具合に。
　昨年9月に公開された『セルフレス／覚醒した記憶』は、そんな願いを叶えることができる技術をめぐって話が展開されるＳＦアクション・スリラーです。
　余命あと半年と宣告された大富豪の建築家ダミアン。一人娘との関係もぎくしゃくしたままである自らの運命を呪うが、失意の彼の前にオルブライトと名乗る科学者が現れ、遺伝子操作で作り出した肉体に頭脳を転送してみないかと持ち掛ける。莫大な料金と引き換えに、新たな若い肉体を得て復活したダミアンだが、意外な真実が次第に明らかになり、思いがけないトラブルに巻き込まれるというストーリー。
　68歳のダミアン役を『ガンジー』の名優ベン・キングズレー、新たな肉体のダミアンを『デッドプール』のライアン・レイノルズ、科学者オルブライト役を『イミテーション・ゲーム』のマシュー・グードがそれぞれ演じている。監督は『ザ・セル』や『白雪姫と鏡の女王』などのターセム・シン。
　まったく別の肉体に宿った魂は、一体どうなってしまうのか。