2月のニュース
 

2005年2月1日
機関紙「けんせつ」第1774号より

Index

「憲法守り明日を開く」坂本修弁護士が記念講演
議員要請に500人 平和守るのは国民の力
顔の見える内容に 仕事確保の夢を実現へ
「佐藤労災」で判決 地裁追認した東京高裁
調布が旗開き 組織の前進誓う
技術に見合う額を 「公契約条例」に理解広がる
05年賃金討議の中から 「いつ自殺してもおかしくない」
スマトラ沖地震による津波被害−零細漁民らにも援助を
栄村の村長さんから感謝状
渋谷社保協で区民実態調査
地元の材と腕で小学校が完成
第26回将棋大会開く 個人A級優勝は萩原徹さん
小千谷の実家が被災 2ヶ月で長男と勇さんが復旧
西多摩あきる野第2分会住宅デー 新婦人の相談から新築受注
北原マジック教室を開催
訓練生募集 東京都板金高等職業訓練校



春闘勝利総決起集会に850人
「憲法守り明日を開く」坂本修弁護士が記念講演
団体ごとの要求がつぎからつぎと舞台に広がった05春闘決起集会
 東京土建は2月3月を「春一番拡大」にとりくみます。この間の経験でも明らかなように「春一番拡大」は5月にとりくまれる春の拡大月間と年間拡大にも大きくつながるもので、全分会がとりくむことにしています。拡大目標は3月の登録日までに、組織の2・5%です。支部・分会での意思統一をはじめ、統一行動などではすべての組合員を対象にした大きな行動にしていくことが大切です。ご協力ください。

訴えに賛同の拍手をする参加者
 「つなごう、くらしと平和守る手を」をスローガンに掲げた05春闘。1月26日、中野ゼロホールで「05春闘勝利!1・26総決起集会」が開催され、850人(東京土建は300人)の働く仲間が参加しました。
 今春闘をめぐる情勢の特徴は労働者の権利獲得の支えになってきた憲法がかつてない改悪危機にさらされていること。『いま、憲法と語り合おう』というテーマで自由法曹団団長の坂本修弁護士の記念講演がありました。
 坂本さんは「国会の勢力図・マスコミ報道を見ると、改憲は必至という気持になりがちですが、改憲勢力も『関門』があります。自民、公明、民主の3党合意で改憲発議しなければなりませんが、はたして自民党案に民主党がのれるか。容易に合意できれば、民主党が独自性を失い、政権交代の必然性がなくなる。また国民投票で改憲案が否決された場合、この問題の成否にとどまらず権力構造そのものに深刻な打撃が及ぶ。このような『関門』を改憲勢力はくぐらなければならない。
 世論調査では9条を変えるのは60%が『ノー』と答えている。改憲阻止は今の弱肉強食の日本ではなく、『もうひとつの日本』への道を開くことです。その運動の主力になるのが組織された労働者の皆さんです」と語りました。
 集会は各組合からのパフォーマンスなどもあり、おおいに盛り上がりました。最後に東京春闘共闘会議の中山伸代表が今春闘のたたかい方を訴え、参加者全員の団結ガンバローで終了しました。
 参加した大田支部の横田新一さんは「今年の春闘は憲法にシフトしているのがよくわかった。坂本先生の話はとてもためになり、30分ではなくもっと時間をとって話してもらいたかった」と感想を話してくれました。

通常国会が開会
議員要請に500人 平和守るのは国民の力
国民を苦しめる国会となっていないか。日比谷公園霞門で
 中央社保協や国民大運動実行委員会は通常国会開会日の1月21日正午から日比谷公園霞門に500人(東京土建71人)が結集。国会に向けた請願デモをおこないました。
 出発集会では、宣伝カーの上から東京社保協の関根和夫さんが「暮らしや民主主義を破壊する福祉切捨てや大増税、さらに教育基本法改悪と憲法改悪の動きが強まっている。国会の中は95%が改憲派といわれる中、国民の改悪を許さない多数の力がある。戦争に反対し、平和を守るためたたかいを強めよう」と挨拶。
 デモ行進は「憲法改悪阻止」「消費税増税反対」「7兆円の国民負担増やめろ」などと唱和しながら、衆参の議員面会所で出迎えの日本共産党国会議員団に請願要請しました。
 デモ行進の途中では、国会開会式に臨む議員が、黒塗りの車で続々と議事堂正面玄関に向かうのが見え、議員会館からは袴姿に盛装した議員が国会に向かうなど、儀式としての国会開会日の一面を見ることができました。
 また衆議院第二会館前では「名護・辺野古の海に新ヘリ基地建設許すな」の看板を掲げて座り込みをする人たちもあり、デモの隊列はたたかいの幕開けらしく整然と永田小学校前まで行進しました。
大変な年はじめ 憲法9条は守る
【江東・大工・富樫権三郎さん】
 税対部を担当しているので定率減税の縮小や、65歳以上の老齢者控除の廃止による増税、消費税の大増税が気がかりになる。年金保険料も上がるし、大変な年のはじめになった。憲法改悪の話も出ていますが、私たちは憲法があるために戦争しないでこれた。何としても憲法9条は守らなければなりません。

NHK番組介入 2人の顔が圧力
【目黒・主婦・正木なか子さん】
 NHKの海老沢会長の態度からしておかしいと感じていたが、自民党幹部2人による番組介入、編集を変更したという事件は、改編して放送した事実を見れば介入は事実そのもの。NHKの幹部職員が政治家に会いに行くこと事態が問題だ。そもそも2人の顔が「圧力」なのだから。

住宅デー実行委員会
顔の見える内容に 仕事確保の夢を実現へ
耐震相談で報告する広瀬達雄さん
【仕事対策部】
 今年の住宅デーは、6月19日を全都統一開催日としておこなわれます。それにむけ1月25日、33支部62人の参加で第28回住宅デー実行委員会を開催。
 ハウスメーカー各社の動向とリフォーム需要の見通し、地元業者の受注の可能性等の講演(新建ジャーナル三浦祐成さん)のあと、「第28回住宅デーの基本方針」を提案。
 基本方針では「地域で顔の見える存在」をいっそう前面に押し出し、仲間の参加は組織人員の2割(全都で2万4000人)、来場者は12万人、住宅相談1500件以上を目標にとりくむことが確認されました。
 早めに支部・分会実行委員会で準備をすすめ、6月を「住宅デー成功・仕事起こし活動強化月間」としてとりくみます。そして工作教室・ガーデニング・耐震相談など、創意工夫で地域の要求にこたえ「地域に貢献する東京土建。頼りは地域の建設職人」のイメージアップを図ります。
 杉並の学校と連携した工作教室、設計士の会・広瀬達雄さんの耐震相談のポイント、住宅デー来場者リストを活用しての目黒の訪問・相談活動、西多摩のガーデニングコーナー、足立の大量宣伝活動、中野の地域共闘など、6支部から特別報告をうけて経験交流を深めました。
 最後に瀬田部長が「大きな住宅デーには大きな仕事がついてくる」「仕事確保にたいするみんなの夢は必ず実現する」と、住宅デーを大きく成功させようとまとめました。

「佐藤労災」で判決 地裁追認した東京高裁
判決内容を報告する古川弁護士
 山形県連・田川建労の佐藤吉治さんが労働災害にあい「手間請の労働者性」を求めている裁判で、東京高裁控訴審の判決が1月25日にあり、控訴棄却となりました。
 この日は、佐藤さんの出身組合の山形や首都圏の組合から75人がかけつけ、満員の傍聴者が見守る中、午後1時10分に開廷。同時に裁判長は「本件控訴を棄却する」のべただちに閉廷しました。
 判決後、参加者は地裁近くの会場で報告集会を開き、全建総連佐藤正明書記長は「判決は非常に残念な結果。仲間の多くが出来高払いの『手間請け労働』をしている状況の中、たたかう意義は大きい」とあいさつ。
 裁判を担当した古川景一弁護士は「まったくひどい判決だ、横浜地裁を追認したほか、補足で1、単価の値上げを細田木材に求めた。2、仕事が終わると時間内に帰ることができた。などを理由にした不当判決」と報告。
 佐藤吉治さんは「このような結果を受けて残念です。ご支援に感謝申し上げます」と感謝の言葉を述べました。
 山形県連や首都圏の仲間からも判決の不当性を次々に発言。今後のことは所属組合や弁護士と相談して決めることにしています。

調布が旗開き 組織の前進誓う
 【調布・書記・赤池修記】
 調布支部の旗開きは1月12日、調布市文化会館「たづくり」でおこない、参加者は組合員・来賓などをあわせて133人でした。
 昨年は1月現勢で70人増となり、これは群・分会・支部が一丸となってかちとったもの。また公契約条例推進の課題では市や議員と話し合い、国に対する意見書が採択されたこと。さらに住宅デーの成功など、組合員が力を合わせて前進した1年でした。
 今年は昨年にまして大きな成果を上げるため、団結がんばろうで気勢を上げ、2400人支部を目指して奮闘することにしています。

05年度要求賃金 1日2万5千円は必要
技術に見合う額を 「公契約条例」に理解広がる
どんな仕事でも確実にこなす技術に評価を
 今年度の要求賃金を決める組合員討論は、およそ9100人の仲間が討論用紙に要求や要望、意見を書き込み、仕事や賃金の実態、生活に必要な要求額、組合の賃金運動に対する切実な声が集約できました。1月26日におこなわれた本部賃金対策部会では、各支部の特徴的な意見の交換をした後、東京土建としての要求額を決めました。

【本部・賃金対策部】
 賃金討論の結果、支部の意見では、現行の日額2万5000円を求める支部が38支部中31支部と、圧倒的に多かったものの、現実的に取れる額を求めるとする支部が7つあったことも加味して討論。結論としては「現在の要求を引き下げてはさらに賃下げにつながる」「生活を守るうえでは2万5000円が必要であることは明らかである」として、日額2万5000円で東京都連の賃金決定会議に臨むことにしました。
 仲間の書込みの特徴は、いずれも将来不安を交えて厳しさがにじみ出ていました。大手ゼネコンや建売り業者の地域進出が相場を大きく崩していることへの批判、一方的な切り下げに対する怒り、また下請同士の競争激化の問題もたくさん語られています。
 一方、運動については、組合の組織力を生かした企業交渉、さらに公契約運動に対する理解と共感も広がっていることが分かりました。また、自分たちの要求額を堂々と示せる運動を展開してほしいとする要望や、技術に見合った適切な賃金確保を、とする意見(左の欄に掲載)が少なからずありました。
 こうした厳しい実態を受けて春の賃金運動は、(1)公契約運動では各自治体で、条例検討の請願、国への意見書、受注企業への行政指導強化の課題。(2)下請や労働者を犠牲にした大手・中堅ゼネコンの業績が急速に回復している下で開かれる、4月の大手企業交渉を、現場の実態と仲間の声をリアルに反映させ、賃金・労働条件改善の具体的な回答を引き出す。(3)3月中旬には駅頭や現場での宣伝を大きく打って出る。
 これらのことを柱に運動を展開していきます。
05年賃金討議の中から
「いつ自殺してもおかしくない」
 各支部の賃金討論にはたくさんの仲間が参加し、切実な要求を出してくれました。その一部を紹介します。

【荒川】
賃金のことは、仲間うちで「払える払えない」という次元の問題ではない。

【板橋】
45歳、妻と子供2人。春に高卒の子を、お金が無くて大学へ行かせることができません。親として本当に申し訳なく感じています。

【豊島】
末端で働く職人の親方がいくら頑張っても手間を払うことすらきつい現状です。野丁場では大手企業がえらそうにしています。

【目黒】
勤続25年月給23万5000円。子供2人で普通に生活できるほうがおかしいでしょ。

【渋谷】
人並みの賃金でないと若い人(建築職人)のなり手がないと思う。公契約条例の制定が早くできるように運動していきたい。

【中野】
不払い問題に関するとりくみは、組合員にとって安心であり、更なる努力をしてほしいと思います。

【杉並】
師弟制度が無いのだから、技術試験制度をつくって1級・2級〜という中で、賃金を決めたらどうか。

【調布】
以前は1日2万円、今は1万6000円です。生活を維持するために出費を減らし、生活レベルを引き下げて頑張っています。

【府中国立】
日曜日以外休まず仕事をして、いつ自殺してもおかしくない状況です。単価が安いくせにうるさいことばかりです。

【八王子】
せめてゼネコンやハウスメーカーの方と同等の賃金をください。

【小平】
大手の言うがままの状況。泣くのは一番頑張って働く職人さん。技術を持ちながら、どうして自信を持って働くことができない世の中にしてしまったのだろうか。みんなで運動していかなくてはいけない。ひとつの力が大きな石も動かせると思う。

【清瀬久留米】
賃金を含め、労働条件の改善をおこなわないと、建設産業の担い手がいなくなる。

【府中国立】
マンションのローンを払っており、切り詰めています。車を処分しバイク通勤しているが賃金が上がらず生活は苦しい。

スマトラ沖地震による津波被害
零細漁民らにも援助を
日本国際ボランティアセンター タイ事務所・森本薫子さんに聞く
 昨年12月26日に発生したスマトラ沖地震による津波では16万人を超える犠牲者がありました。被災地では復興に向け、懸命の努力が続いています。
 12月31日から被災地であるタイ南部(地図参照)のパンガー県、ラノーン県に被害調査に入っていた日本国際ボランティアセンター(JVC)・タイ事務所現地駐在員、森本薫子さんにお話を聞きました。
パンガー県ケムナム村−押し流された船のまわりに集る被災者
支援物資を受け取る子どもたち
遺体の身元確認をするための掲示板に貼り出された写真に見入る被災者

うちあげられた船、壊れる家屋
 「押し流された大小の船が建物に食い込んでいたり、街中のあちこちに転がっていました。建物の多くは全壊か半壊。私たちが現地に入った時には目につく所に遺体が残っているという状況ではなかったのですが、行方不明者もいて、混乱していました」。
 タイでは津波によって6つの県が被害を受けました。森本さんは年末から年始にかけて調査に訪れ、もっとも被害が大きかったと言われるパンガー県のナムケム村などの現場写真を示しながら話します。
 「タイでは仏教のお寺が多いので、被災した住民はお寺や学校あるいは行政の施設に避難しています。食料、衣料、水、シーツなどの救援物資は外国人観光客が訪れるようなリゾート地ばかりでなく、私たちが入った小さい村にも届いていました。トイレや水浴び場所が少ないので困っているということはあります」。

タイのNGOと協力して
 「JVCは25年前、カンボジア、ラオスからタイ国境に逃れてきた難民キャンプの人々を支援するのに駆けつけた日本のボランティアで結成されました。東北タイには事務所があります。
 JVCの活動は今回のような災害が起きた際に緊急対応するのを活動のメインにしているわけではないのですが、JVCの結成のつながりからインドネシアやスリランカなどの被害の大きかったところではなく、お世話になってきたタイで『何かできないか』ということになりました。
 そこで現地スタッフの私たちが、12月28日にタイのNGO(非政府組織)や市民団体がバンコクでこの津波災害への救援活動に関するミーティングを開いたのに参加し、情報を得ることにしました」と今回の支援活動の経緯を語る森本さん。

援助から洩れる零細漁民や移民労働者
 日本では昨年台風の被害や新潟県中越地震などの自然災害が連続してありました。災害などが起こった際、マスコミなどでは衝撃的な場面を報道することが多く、今回のスマトラ島沖地震・津波被害についても主に日本人を含む外国人の訪れるリゾート地の状況に焦点が当てられがちです。森本さんは日本ではあまり紹介されず、援助の光の当たりにくい被災者の問題について次のように話します。
 「私たちが調査に入ったパンガー県などの被災した地域住民の多くは零細な漁業で生計を立てています。彼らが生活手段の船や漁具を失って、生活を立て直すことが困難になっています。タイでは船や大きな漁具については登録する事になっていて、漁民は魚を獲るライセンスが必要とされています。しかし零細な漁民は登録していないことが多いと思われ、タイ政府は登録を手がかりに支援をするので、零細な漁民は支援から洩れることになります。また支援から洩れるのはミャンマーからの移民労働者などもいます。学校も壊れてしまったのですが、タイ政府による学校再建は5月以降になるということです。それまでの間、避難所で一日を過ごすしかない子ども達に教室、保健室、精神的なケアをおこなう部屋などのある臨時の学校が必要になります」。

中長期的支援計画に協力を
 「JVCではタイのこれまでの調査を踏まえ、中長期的な復興支援の活動としてタイのNGOネットワークが設立した『津波による共同体と自然の復興のための協力ネットワーク』を通じて、(1)聞き取りによって零細漁民、子ども、移民労働者の被害実態をデータベース化すること、(2)小規模漁民への船、漁具、仮設住宅の支援、(3)臨時の学校の設立、(4)援助から洩れる人々への支援の必要性をタイ政府に提言すること、(5)海岸の生態系や資源の回復、(6)救援プロジェクトから得られた教訓を資料化すること、これらをおこなっていきます。
 この活動目的で、募金を呼びかけています。目標は日本で1000万円としています。ぜひご協力ください」と森本さんは訴えています。
 募金の方法は、郵便局では…00190‐9‐27495、「JVC東京事務所」(通信欄には「タイ津波」と記入)、インターネットでは…http://www.gambanpo.net「Gamba NPOnet」(クレジットカードでの募金可能)です。

震災でお世話になりました
栄村の村長さんから感謝状
 全建総連が呼びかけた新潟県中越地震被災住宅(十日町)の応急処理・修復ボランティアには、東京土建から11月24日からのべ73人の仲間が参加しました。その際、宿泊施設を利用させていただいた長野県栄村村長さんらから感謝状をいただきましたので紹介します。

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宿舎に激励にかけつけてくださった高橋彦芳村長(中央)左は大江全建総連書記次長、右は瀬田東京土建仕事対策部長
 新年明けまして、おめでとうございます。本年もよろしくお引立てのほどお願い申し上げます。
 昨年は自然災害の多い年でした。夏の猛暑から始まり、秋の台風と洪水、浅間山の噴火と新潟県中越地震、まさに天変地異の有様でした。とりわけ栄村の近くで起こった中越地震災害は、恐怖のどん底にひきずり込まれる思いでありました。
 被災者の皆様には、一日も早くに立ち直られることを祈っています。
 さて、この中越地震の折には多忙な自身を顧みず、ボランティアで十日町地区被災者宅の修理修復に甚大なるお力沿えをいただきましたことは、被災者の方々に大いなる無限の力を与えたことかと思います。
 また宿泊に際しましてはトマトの国をご利用いただき衷心より御礼申し上げます。十分満足のいくおもてなしもできず甚だ心苦しく思うしだいであります。
 1月5〜6日には埼玉土建飯能日高支部の幹部研修会、埼玉土建朝霞支部1月
6日発行の「朝霞」で(一人ひとりが輝いて暮らす村)栄村を紹介していただきましたことは、我々を含めて村民に元気を与える源になります。
 今後とも末永くお付き合いができますことをお願い申し上げますとともに、組合員の皆様のご健勝と全国建設労働組合総連合様の益々のご発展をお祈り申し上げ御礼にかえさせていただきます。

平成17年1月吉日
栄村長(栄村振興公社理事長) 高橋彦芳

(財)栄村振興公社 常任理事 関谷美彦

介護保険負担ズッシリ
渋谷社保協で区民実態調査
 介護保険が導入されてもうすぐまる5年。今年は介護抜本保険の「見直し」が予定されていることは、弊紙でも掲載してきました。渋谷社会保障推進協議会(渋谷社保協)では地域での訪問調査によるアンケートを梃子(てこ)に介護保険制度「見直し」に見られる改悪を許さず、現行制度でも問題点の多い制度を改善する運動を進めています。

 「預金を取り崩している者にとっては、保険料の負担は重過ぎる。われわれは若い時に一生懸命働いて税金をいっぱい納めてきたんだ」(80歳・男)、「入院すると途端にヘルパーさんが切られる。退院すると別のヘルパーさんになるのが困る」(89歳・女)。
 アンケートに寄せられた声の一部です。このように現在の介護保険制度でも問題点はたくさんあります。アンケート集計からは、「利用料負担が高いため」、「サービス回数が確保できない」という不満は高い数値となっており(図1)、保険料負担感も重いという人が70%にも及んでいます(図2)。さらに室料、食事代などの新たな負担が「見直し」であがる特養ホームへの待機者も深刻な状態にあります。(図3)
 「渋谷社保協では、昨年10〜12月の3ヶ月間で、区内の427人の高齢者本人、家族などからアンケートを聞き取りで集めました。アンケートに答えてくれた中には1時間半も話し込む人がいるなど制度改善の声の強さに確信を持ちました。私たちはこのアンケート結果を根拠に国や自治体に対して、制度の改善を迫っていきます。またこの活動を通じて渋谷社保協だけでなく、制度改善に向けて地域住民とのネットワーク作り、草の根運動にしていこうと考えています」と田中正也事務局次長(東京土建渋谷支部書記次長)は語っています。

渋谷社保協副会長で渋谷支部社保対部長の岩間マサ子さん談
岩間さん
 
 「主人は今のところ丈夫で現場に出ていますが、将来のことは私も含めて心配です。介護保険も認定があり、いつでも使えるわけではない。介護を受けるようになったら、保険料を免除してもらえるという制度にして欲しいものです」

聳え立つ時計塔 高い天井
地元の材と腕で小学校が完成
完成直前の東郷小学校玄関棟
完成した学校を見学する地元の人たち
 ここは、山形県、庄内平野に連なる西田川郡三川町立東郷小学校。このほど完成した新校舎の一般公開がおこなわれ、「沢山の人が訪れて、聳え立つ時計塔、釘などの金物を一本も使っていない玄関棟の天井を見上げて、驚きの声を上げていました」と設計者の菅原英介氏からお便りが届きました。
 本校の新築には、「町の長老たちが『この木でいつかは学校を』と育ててくれた材を使っていた旧校舎」の思い出が強いこともあって、新校舎もコンクリートではなく、「地元の材と地元の手で」という、設計プランが採用されたところからはじまりました。
 大工の剣持猛雄さん(山形県・田川建労組合員)が工事を担当しました。剣持さんは、木造建築の伝統構法に拘る一人で、「構造設計の第一人者増田一眞先生などの知恵も借りて、自分の思いをこの学校にかけてみた」と話しています。
 雪の重みで杉の根本が曲がってしまうこの地方独特の材料、「根曲がり杉」の軟らかな曲線をたくみに利用した頬杖の力強さは一見の価値があります。
所在地‐三川町大字神花字穴瀬

第26回将棋大会開く
個人A級優勝は萩原徹さん
真剣に対局する文京の松浦さんと小平の須藤さん(左)
【本部・厚生文化部・成平正英記】
 恒例の厚生文化部主催の第26回将棋大会を、1月16日本部会館で島朗八段、斎田晴子女流棋士の指導・審判のもと16支部48人、実行委員・担当中執・事務局含め70人の参加でおこないました。
 A級からD級に分かれて競技をおこない、D級戦では小学生が優勝するといった場面もあり、油断できない熱戦でした。
 島八段、斎田女流棋士の協力で棋力認定もおこなわれ、参加者からは実力がわかって大変よかったと好評でした。競技後表彰式・抽選会をおこない盛り上がった将棋大会となりました

 各級の入賞者は左記の通りです。(敬称略)

A級
優 勝 荻原 徹(江東)
準優勝 小田 彰(足立)
敢闘賞 杉本俊雄(杉並)
B級
優 勝 本橋宏治(杉並)
準優勝 森田 清(文京)
敢闘賞 小椋 博(東村山)
C級
優 勝 飯野誠一(西多摩)
準優勝 佐竹俊彦(東村山)
敢闘賞 広瀬 高(葛飾)
D級
優 勝 氏福梨乃(杉並)
準優勝 斉藤 茂(文京)
敢闘賞 森 彰良(港)
団体戦
優 勝 江東支部チーム
準優勝 杉並支部チーム
敢闘賞 文京支部Aチーム

斎田晴子女流棋士と対局する氏福梨乃ちゃん
D級で優勝した氏福梨乃ちゃん
 私は、本当はC級かB級にでたかったのです。島朗先生と斎田先生に指導対局をしてもらい、本当に嬉しかったです。D級で優勝したので、来年はC級に挑戦して、B級にも挑戦したいです。(氏福梨乃ちゃんは11歳です)

兄貴がんばれ助けに行くから
小千谷の実家が被災 2ヶ月で長男と勇さんが復旧
小林勇さん
 小金井国分寺支部の小林勇さん(大工・59歳)の実家は、新潟県小千谷市です。男の子ばかりの3人兄弟で、2男が家を守り、長男、3男が東京にでて大工になりました。勇さんは3番目。戦前生まれのこの世代に特有の名前は勇しいのですが、名前をつけた父親は戦死し、記憶がありません。貧しい新潟の村で、兄弟は助けあって大きくなりました。

小千谷市総合体育館でのボランティア
 地震のおきた10月23日夜、テレビで地震のすさまじさを見て、茫然としました。やっと通じた電話で、2番目の兄にこう伝えました。「家の修理にすぐ行くから、家具なんか片付けておいて」。

すぐかけつけた大工の兄弟
 実家は小千谷駅のすぐ近くの旧竹原町。小千谷に向かったのは、震災から2週間後でした。長男の貢さん、貢さんの息子の康男さん、勇さんの3人が資材を満載にしたトラックで向かいました。
 築55年の家は一見ちゃんとしていましたが、中に入ったらメチャクチャの状態で、倒れなかったのが不思議なくらいでした。
 3人で梁と土台にワイヤーをかけて引っぱり、元に修正して12ミリのベニアを貼って前よりも丈夫にしました。風呂場にはユニットバスを入れてなんとか入れるようにしました。約2カ月、勇さん達は小千谷に3〜4日行っては東京に2〜3日戻り、その繰り返しを続けました。
 2男(良男さん)夫婦は仮設住宅に入ることなしに、大工の兄、弟に助けられて自分の家に住み続けることができ、まわりの家の人達からうらやましがられました。

新潟人は根がのん気なのか
 勇さんは、今回の地震について次のように話します。
 「テント生活の時でも、家が潰されなかった人から煮物などの差し入れがあったり、新潟の人は根がのん気なのか、しょうがないなーくらいしかいいませんでした。昔からがまん強い性格ですから、国の対応がどうだとかはあまりいっていないようでした。それから大工として、家は手抜きしないでつくらなければいけない、と感じました。改装工事で壁や柱を抜いたりしますが、もちろんそれなりの対応はとるのですが、地震に弱くなるようなことはまずいと思います。土建組合からたくさん支援カンパを集めていただき、本当にありがたいです」。
 昨年、小林さんたち夫婦3組で新潟に旅行に行きました。父親はいなかったがいい伴侶に恵まれ、男3人兄弟のよさを再確認した旅でした。
 今年3月還暦を迎える勇さんは、小千谷の復興と今年こそよい年を迎えたいと願っています。

施主は目の不自由な臼井さん
西多摩あきる野第2分会住宅デー
新婦人の相談から新築受注
作業中の横山三喜男さん
 西多摩支部は昨年の住宅デーにおいて「地域への奉仕を通じて東京土建の存在をアピールする」方針を実践してきました。分会では1会場の規模を大きくすることで150人もの来場者をむかえた会場もありました。また、分会が地域の団体と共同で開催した分会では住宅相談から新築工事を受注しました。

【西多摩・書記・大野史記】
 あきる野第2分会は、新日本婦人の会バザーと合同で住宅デーを開催。このとき「新婦人」の会員の方から住宅相談を受け、新築の仕事が生まれました。
 この方は地域で福祉活動をおこなっており、臼井健雄さんという目の不自由な方から、自宅を建て替えたいとの相談を受けていたそうです。話を聞いた結果、大工の横山三喜男さんがこの仕事を受けることになりました。
 横山さんは、目の不自由な臼井さんが納得して家造りができるよう、建材を手に取って手触り等を確認してもらいながら工事を進めました。また扉の代わりにカーテンを使用したりとバリアフリーにも配慮しました。
 11月25日に引き渡しを受けた臼井さんは、きびしい予算の中でていねいな仕事をしてくれた横山さんに大変感謝していました。横山さんは「予算的な制約は工夫次第でなんとかなる。喜んでもらえてうれしい」と話します。

北原マジック教室を開催
【中野支部発】
 中野支部の北原久さん(大工・71歳)の趣味はマジックです。いろんな行事で披露されているので、ご存知の方も多いかもしれません。
 さて、その北原さんが毎月第1、第3金曜日の午後3時から5時までマジック教室を開催します。(会場は支部会館、会費は毎回千円です)
 この際マジックを覚えたいという方はふるって参加してください。とくに子どもたちや高齢者に喜ばれること請合いですし、手を動かすのでボケ防止にも最適です。

板金技術の基本を学ぼう
訓練生募集 東京都板金高等職業訓練校
 先般、東京都板金工業組合が運営する「東京都板金高等職業訓練校」の訓練生募集の件で、同組合の宮沢秀幸理事長・畠山輝男校長らが、東京土建技術研修センターを訪れ、その協力依頼がありました。これを受けて、同センターとしても協力していくことを確認しています。本紙では、別途「伝統技術の継承と、若者たちに物作りの面白さを伝えたい」という宮沢理事長を訪ねて、訓練校に懸けるその思いを聞きました。

ベテランの指導員による実技訓練
 「日常では、工場生産されたものを取り付けるだけという仕事も少なくないので、技術とか技能とかが軽んじられて、とても残念に思っています」ときりだした宮沢さんは、次のように話しました。
 本校は板金職種の単独校として40年以上の歴史と実績があり、私自身も18歳から3年間学びました。それが今日の私を育ててくれたと感謝しています。訓練校を出た後は若い仲間が集まって、青年部で活動することにもなりました。年を重ねて、組合の役員もやることになり、訓練校の校長も10年間やらせていただきました。4年前に理事長に就任して、現在の畠山校長にお願いしました。
 いま、事業所では、若い人に技術を教えられないのです。すぐに一人前の稼ぎ手として、現場での作業は教えますが、切る・打つ・折るといった基本は抜けてしまいます。訓練校では、自分の頭で考え、図面を書いて自分の手で作り出す。その過程をじっくり学べます。
 甘いことは言いません。送り出してくれる事業主さんのことを思えば、みんな真剣にならざるをえません。経験豊富な先生方と若い生徒さんが、夢を形に作り出す苦労と喜びを共有している姿は、本校の誇りです。この機会に、東京土建の若い皆さんが本校に多数入学されることを期待します。
 
宮沢理事長
 なお、理事長の宮沢さんは、(株)友伸工業代表取締役。東京土建中野支部で20年来の組合員、15人の社員も東京土建に加入しています。ご本人は2年前にストレスからの胃潰瘍で入院し、「土建国保のありがたさは身にしみました」とも語ってくれました。
募集要項
毎週木曜日の午前9時〜午後5時までが登校日で2年間学びます。
募集人員 建築板金科 20人
入校資格 職業訓練指導員のもとで指導を受けている者、または受けようとしている者で次に該当する方。
申込受付 3月20日までに所定の書類を提出してください。
学費 入学金6万円、前期授業料4万円、事業主前期負担金1万5千円、同窓会費3千円。入学時納入金11万8千円
入校書類 ご連絡くだされば送付します。連絡先 港区三田1〜3〜37板金会館内 電話3451・9226