東京土建のSDGs

 東京土建は、建設従事者の仕事とくらしを向上させる様々な要求運動や、地域に根差した平和運動などに取りくんでおり、その運動そのものがSDGsの取りくみと結びついています。2021年6月、区長が「SDGsにかなう仕組みだ」と述べる中で、江戸川区で公契約条例が制定されました。都内各地で今も進められている公契約条例制定運動などは、まさに東京土建など建設労働組合が中心となって積極的に自治体に働きかける中で実現してきたものです。
 労働組合としての社会的な役割を発揮しながら、働く条件のみならず、働く人が暮らす社会、世界がより良くなるように。東京土建は、仲間の声を大切に、様々な人たちと幅広い活動に取り組みながら魅力ある建設産業、働きやすくて暮らしやすい社会を目指しています。

働く人に正当な報酬と働きやすい環境を

 自治体発注の工事において労働者の賃金や報酬の最低額を定める公契約条例は、2021年9月現在、都内11自治体で制定されています。東京土建は、その制定過程のみならず、制定後の実効性を高める活動においても積極的な役割を果たしています。この条例の推進は、働く人に正当な報酬を保証するだけでなく、賃金アップ→税収アップ→自治体サービスの向上など、地域経済の好循環を促進する意味でもSDGsの理念にかなうものです。
 また、建設技能者の能力や経験年数に応じて評価されることを目的とした建設キャリアアップシステム(CCUS)を推進し、建設労組として作業従事者の安全・環境の改善に取り組む中で、働き甲斐のある人間らしい仕事(ディーセントワーク)を推進します。

不平等をなくし、誰もが健康的に、安全に

 建設産業で働く仲間が安心して医療にかかれる「東京土建国保」は、かつての「ケガと弁当は手前持ち」といわれた建設業界の不平等な待遇を、声を上げて東京土建が国に求めて創設させたものです。現在も「東京土建国保」の育成強化のみならず、誰もが健康的に暮らせる、真の社会保障の実現をめざして、地域諸団体と連携しながら幅広く行動しています。
 また、コロナ禍においてはあらためて公的医療の重要性が浮き彫りになりました。国民の健康、命に対する国と自治体の責任強化を求める運動に取り組み、「多くの感染症を根絶し、新たな感染症を防止しよう(3.03)」というターゲットにもアプローチします。
 そして、「富の再配分」に逆行する逆進性の高い消費税ではなく、応能負担、累進課税を求める中で、税の不平等解消にむけても取り組みを進めています。

防災・減災、リフォーム促進で3R

 近年急増している豪雨被害などの被害軽減へ、地元自治体との災害時協定の締結など、防災・減災活動や被災地復興支援に取り組んでいます。
 また、地域とつながる身近な住宅の専門家集団として「地元の仕事は地元へ」を呼びかけています。幅広く地域循環型経済が促進されれば、移動に伴うCO2の抑制効果も期待できます。また国交省も推し進める良質なストック住宅活用にむけて、リフォームパートナー協議会「RECACO」を運営しています。地域住民が安心してリフォームを依頼できる「RECACO」を通じて、スクラップアンドビルドの消費方式から脱却する健全な住宅リフォーム市場の活性化に貢献し、「廃棄物の発生を、3R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))で大幅に減らそう(12.05)」のターゲットにアプローチします。 

伝統的な技能の継承、誰もが学べる機会を

 働きながら学べる職業能力開発短期大学校「東京建築カレッジ」や「技術研修センター」の運営を通じ、建設技術技能の向上と後継者の育成、生涯学習の機会促進につとめています。日本最大の建設労働組合である東京土建が携わる中で、安価で質の高い教育を実現しています。
 東京建築カレッジでは、伝統的な大工技術を通して建築の基礎を学ぶことができます。森林大国である日本の国土が育んだ木造建築は、その特有なぬくもりとともに、持続可能な地球環境に貢献する観点からも注目されています。建築物における木造化や木材利用促進が、健全な森の維持に繋がります。「建築カレッジ」でその担い手となる木造建築の建築スペシャリストを育成することで、陸の豊かさを守ります。   

平和でなければ成り立たない

 戦前、「戦争遂行上の適正配置」のためと称して労務報告会がつくられ、多くの建設労働者が前線に送られました。そして、砲台や作戦上必要な施設建設に従事させられる中、その多くが犠牲となりました。
 建設産業は平和であってこそ「社会的有用産業」として発展することができます。東京土建は地域諸団体と共に平和・公正社会・民主主義を守る活動を積極的に行う中で、「すべての人が法によって平等に守られる社会に(16.03)」「正しく機能し、正しい情報を発信する公共機関へ(16.06)」などSDGsの掲げるターゲットにもアプローチします。仕事とくらしの土台となる大切な運動として、日本国憲法を守る運動、原水爆禁止を求める運動にも取り組みながら、平和でだれをも受け入れる社会を促進します。

住み続けられるまちづくりへ

 カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現にむけて、波及効果の大きい住宅、インフラなど、建設産業における取組みがこれからますます重要となってきます。
 実際に住宅や都市を作り上げ、生活に不可欠な社会インフラを整備するのは、現場で汗を流す現場従事者です。東京土建は11万人を超える仲間の助け合いで、エッセンシャルワーカーとして最前線で働く労働者の仕事とくらしを支え合うことで、誰もが住み続けられる街づくりに貢献していきます。